美の復権


定価 4,180 円(税込)

著者 中村 愿(ナカムラ スナオ)

A5判 並製374頁

ISBN978-4-89619-546-0

アマゾン

楽天

版元ドットコム

・内容紹介

天心岡倉覚三の実像に迫る評伝第一弾。綿密な考証により、その半生と思想の淵源を探り、来るべき世紀に向けて「理想」の原点を明示する。

・目次

序章 In Defense of Okakura Kakuzo
 大理で考えたこと
 「脱亜論」再考
 真の文明の道
 ラフカディオ・ハーンの予言
 岡倉覚三が弁護したもの

第一章 父の時代
 父祖の地・福井
 若き覚右衛門の足軽生活
 武士から生糸商へ
 岡倉家を継ぐ覚三の誕生

第二章 横浜に吹く風
 覚三、江戸生まれ説
 新開地横浜で育った幼少期
 越前の原風景
 東京移住

第三章 青春の明治
 時代の子ら
 小説好きの一風変わった学生
 南画、英文学、そして―
 漢詩に託す慷慨の気

第四章 十八歳での結婚
 フェノロサの来日
 日本美術研究における同志
 かかる風情、人、解するや否や
 音楽取調掛の日々

第五章 “利慾ノ開花”への挑戦
 九鬼と浜尾と岡倉
 ワーグナーによる日本画術学校設立の提案
 “政治的”ということ
 フェノロサ、ビゲローとともに

第六章 朝野を視野におさめて
 一生の最快事
 フェノロサとの“協力”
 隠遁するか、さもなければ
 真情と煽動のあいだ
 改組鑑画会による民間での美術運動
 来たれ、美術家たちよ

第七章 洋行が問いかけるもの
 『大日本美術新報』の発行
 受戒
 文部省美術局の構想
 最初の欧米旅行へ
 近代文明は……

第八章 美術に東西洋の区別なし
 『欧州視察日誌』の子細な記述
 われら何のために笑い、何のために哭く
 ギルダー夫人への手紙
 人生の新たな彩り
 美術は天地の共有なり

第九章 悲母観音の世界
 美術学校開校まで
 未款の大作「悲母観音図」
 語られなかった消息
 関西地方の大々的な宝物調査

第十章 “国粋”の波に乗りつつ
 台頭する国粋主義の流れ
 多様な岡倉の表現
 絵画は日本画に限る
 「日本」新聞の知友たち
 蓋シ容易ノ事業ニアラサルナリ
 福富孝季の死

第十一章 混沌に生きる
 政治への接近
 命なき統一より生きた無秩序
 雪泥痕
 根岸党の面々
 架空の言、もって自ら慰む