一韓民学者の初めて接した日本の彼方此方


定価 1,870 円(税込)

著者 金泰昌(キム テチャン)

B6判並製 364頁

ISBN978-4-89619-939-0

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・内容紹介

本書は、のちに公共哲学という一種の哲学運動を、日本を中心に世界中の様々な分野の学者たちとともに展開することになる一人の「韓民」学者が先入観なく日本に触れた際の素直な精神の働きの刻印を集めた、いわばスナップ写真集とでも言うべき「日本印象記」です。

・著者紹介

金泰昌(キム テチャン)

著・文・その他

1934年生れ。将来世代総合研究所所長、公共哲学共働研究所長、樹福書院院長。来日(1990年)
シリーズ『公共哲学』全20巻(共編、東京大学出版会、2001-2006)、『一神教とは何か』(共編、同会、2006)、シリーズ『物語り論』全3巻(共編、同,2010)、『ともに公共哲学する』(編著、同会、2010)、『「おのずから」と「みずから」のあわい』(共編、同会、2010)、公共哲学、比較国際関係思想。

・目次

はじめに 多様な生命(いのち)との新鮮な出会い〈片岡 龍〉

一 伊達政宗と二十世紀の日本
 1 伊達政宗との初対面
 2 伊達政宗の三つの側面
 3 実現されなかった夢
 4 伊達政宗は近代日本の姿
 5 何が足りなかったのか
 6 二十一世紀を目指す教育

二 生態学的人間像へのアプローチ
 1 スターを好まない鳥取気質
 2 県民性と社会・経済的後進性
 3 ふるさとへの愛と誇り
 4 夢は歴史の始動力
 5 教育は夢を発見し、追求すること
 6 個性化への教育
 7 民際化への教育
 8 文化化への教育
 9 生態学的価値優先の時代へ
 10 全地球的自由人に
 11 平和的精神革命

三 オイコス(地球一家共同体)時代の教育
 1 紀伊国屋文左衛門と松下幸之助と
 2 外国人労働者排斥論が流行るのは
 3 日本に純潔はあるのか
 4 見はてぬ夢と教育
 5 女子高生コンクリート殺人事件は何故
 6 未来予知能力と人間悪88

四 第三の文明開花と日本的成功哲学のゆくえ
 1 大友宗麟、新思想とのコンタクト
 2 福沢諭吉、二つの課題の成就
 3 日本には第三の文明開化が必要
 4 脱欧入亜の時代に
 5 日本的成功哲学の脱構と再構築
 6 国境を越える教育の原点切

五 新しいアジア時代の教育課題
 1 日本人の反倫理、非道徳性
 2 「二十一世紀日本論」にみる肯定と否定
 3 教育者は明るい未来観を
 4 一国主義的哲学の克服を
 5 人間と自然の共存をめざして
 6 新しい因縁の哲学の提唱
 7 新しい哲学を基礎にした教育を
 8 教育者への尊敬を取り戻す
 9 教育者の情熱と信念で教育再建を

六 名古屋で東アジアと日本そして日本の教育を考える
 1 不幸な関係の原因
 2 アフリカ出身若手学者の発言
 3 西洋人のアジア認識を変えた日本の経済力
 4 超大国の論理に対する弱小国の反逆
 5 東アジアに対する不安と恐れ
 6 東アジアの世界史的貢献に対する願望
 7 一緒に幸せになるための教育的努力
 8 明るい未来への確信
 9 悲しい体験・痛い心
 10 教育的課題の原点

七 佐賀で日本と韓国そして日本の教育を考える
 1 国家観念を越えた人間としての共感
 2 世界のための人物を育てる必要がある
 3 一番近い日本と韓国の関係が問題
 4 わたくしたちの世代の「教育」の一番重要な課題は偏見と誤解を克服すること
 5 日本理解の努力はなされていない
 6 若いときに持ったパーセプション
 7 日本に対するありがたさを感じさせる
 8 教育者に一番必要なものは温かい関心
 9 国の大小は土地にあらずして人にあり
 10 韓国と日本は運命共働体

八 京都で教育におけるエロスとロゴスとパトスを考える
 1 日本における三つの空間原理
 2-1 教育のパトス
 2-2 松陰的パトスと福沢的パトス
 3-1 教育のエロス
 3-2 空海的エロスと最澄的エロス
 4 教育のロゴス
 5 二十一世紀はグローナカル公共意識が発達した人間を要請する
 6 東京的原理の解体と京都的原理の再構築
 7 従来の教育の二つのモデル
 8 教育は未来の地平を一緒に開くこと

九 「地球」と生命の尊厳が教育の原点
 1 ヴァイニング女史と皇太子の英語
 2 日本を愛した異邦人たち
 3 高く評価されるマッカーサーの占領政策
 4 東アジアの代表選手日本
 5 共福の時代の哲学を
 6 多国主義哲学の構築を
 7 共通する価値とは何か
 8 誰を地球という船から突き落とすか
 9 学生裁判にかけられたわたくし
 10 立場を変えて考える能力
 11 飛ばなかったボーイング727
 12 教育こそ未来の夢を創る力 

十 人類の共存思想をどう教えるか
 1 福岡は幸福の岡
 2 国ごとに異なる世界地図
 3 ユダヤの自己認識法
 4 韓国の自己認識法
 5 貝原益軒と青柳種信
 6 オイコス時代の最優先課題
 7 愛は生得的なものではない
 8 教育の基本とは何か
 9 粘り強さと未来への確信
 10 ホモ・オエコノミクス
 11 ホモ・オエコロギクス
 12 ホモ・ソビエティクス
 13 異質の共存が平和の基本条件
 14 夫婦の間の異質の共存
 15 トイレを開け放つ韓国学生
 16 どのくらい先の未来を想像できるか
 17 未来が現在を決定する
 18 明るい未来を持たせる 

十一 世紀末的大転換期を生きる
 1 プレ・モダンからポスト・モダンへ
 2 アポロン的人間観
 3 プロメテウス的・ファウスト的人間観
 4 ディオニソス的人間観
 5 日本的価値のゆらぎの時代
 6 地球一家共同体の時代に
 7 ガイア的・オルフェウス的人間観
 8 センスス・コミューニス
 9 エスノ・ロジック
 10 今西錦司博士の卓見
 11 千利休の茶道の精神
 12 秀吉とナポレオン
 13 空海の幸福論初
 14 生態価値優先の時代に
 15 オイコ・パックス
 16 オイコ・ユスティチア
 17 オイコ・フェリシタス
 18 ダ・ヴィンチの伝説
 19 狩人的発想と農夫的発想 

十二 今、物語を変える時代
 1 幸福情報の発信基地
 2 フランシスコ的革命
 3 環境財産観
 4 コーポレートシチズンシップ
 5 オイコス意識
 6 自然と人間の友情の回復を
 7 環境教育の二つの柱
 8 アメニティは人間中心
 9 新・アリとキリギリス
 10 自然に謙虚な態度を
 11 戦争責任は神にある?
 12 人間の理性の限界
 13 教育者の宿命的二重性
 14 愛情的人間像と自慰的人間像
 15 自然へのレイプ
 16 美を重んじる心情
 17 日本的美がなくなる
 18 「絶対化」の危険性
 19 美しさとバランス
 20 ノンゼロサムゲーム
 21 わかりやすさの大切さ
 22 意志的選択の大切さ

おわりに